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三上亜希子さんエッセイ

冬の素敵なワクワク感

 「今年は鮭がまずまず捕れてるみたい」「アワビが今年は大きいって!」ジングルベルをかき分けて聞こえてくるそんな会話は私の好きないわての会話のひとつです。それは三陸の海からの師走のたより。さぁ年末だ!そう思い、ワクワクします。

 わが家は山の中にありますが海産物はとても身近。田畑や山を折々で楽しむことと海産物の楽しみも同じことなのかもしれません。春の海藻・マツモやフノリ、ワカメにコンブは春風とともに。ホヤにウニに夏イカ、秋イカ。サンマは新米の季節の一番のご馳走。畑の食用菊をあしらってのお刺身や山のキノコとあわせた汁物は本当に美味!これからの季節はサケにイクラにアワビに毛ガニ。「この季節にはぜひ(絶対)食べなくっちゃ!」家族もみんなもそう思っているし、実際「ぜひ(絶対)」食べるのです。

 季節になると海のものや海の様子がどこからともなく伝わってくるのも大好きです。もともと山のもの、海のもの、街のもの、すべてが行き来していたから、そんな話を今でも聞きます。海のものは海辺だけのものでなく、みんなの暮らしの一部である、そんな風にも感じます。

 手紙のようだなとも思い、それは、それぞれの時季にそれぞれのものが出回ると「海も元気だな」と思うからです。

 三陸の海のものファンの私が判ずるに、最近はまた海が元気になっています。三陸の海のたよりはこれからがきっと見ごろ、食べ頃です。

いわての海のものの周りには、笑顔がいっぱい。大切な季節のたよりです。

三上亜希子さんプロフィール

1973年埼玉県生まれ。
学生時代に訪れた岩手県岩泉町で民俗資料展示室の仕事を得る。
同室勤務を経て同町釜津田で畜産(短角牛)と林業を営む農家に嫁ぐ。
家族や地域の人々との日々の暮らしやできごとをブログで紹介している。
現在、義祖母、義父母、夫、牛10頭、犬、猫とともに暮らす。

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