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生産者が語る、いわての食財。

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陸前高田「広田湾」。おいしい冬便り。「奇跡の一本松が臨む海。広田湾は、美しさの宝庫でした。」

「被災地で出会った二人がはじめた、陸前高田かき小屋一号。」指導漁業士 藤田敦さん

街道沿いに、二人の切り盛りする「かき小屋」はありました。海風にあおられて幟がはためいています。プレハブ建築に、「かき小屋」の文字。周りは造成地。他には目立った建物もありません。声をかけると「かき小屋・広田湾」代表の藤田さんが、にこやかに迎えてくれました。パートナーの梶原さんは、料理長。ボランティアで、京都からはるばる陸前高田にやってきて、藤田さんに出会いました。

「震災後、県内外からボランティアさんに来てもらって、瓦礫の撤去からはじめて…。今では、カキ養殖のイカダも500台浮かんでいて、出荷できるようになった。ありがたいよね。梶原くんもそんなボランティアのひとりとして来てくれていたんだ。」

藤田さんの本業は、広田湾小友地区でカキの養殖。指導漁業士の肩書も持つ、地域のリーダーです。

「意気投合したんだよ。広田カキのおいしさを、みんなに知ってもらいたい、そこで一致した。梶原くんは調理師の免許を持ってる。飲食店の経験もあった。こちらはカキを持ってる。やるか?ってことになった。でも、そこからが大変。経験のない申請や手続きが山ほどあったよ。(笑)」

梶原さんは、黙々と調理をしています。藤田さんによれば、かき小屋を始めることに熱心だったのは、梶原さんだったとのこと。

「うちの看板メニューは『かき満喫御膳』。蒸しかき5~6個に、かき飯、かき汁、小鉢がついて、1,200円。」

かき飯には、カキの旨味がたっぷり沁み込んでいます。かき汁は、お吸い物仕立て。蒸しかきは、絶品。カキの美味しさが凝縮して、いくつでも食べられそうです。

「うまいでしょ?この辺りの味付けなんだ。梶原くんは関西の人だから、この味にたどり着くまで、結構、試行錯誤した。うちのおふくろに教わったりしてね。かきのお好み焼き、かき焼きそば。これは、関西の人だから抜群に旨い。それぞれ500円。安いって?ボランティアの人たちにも言われたよ(笑)。」

「うちのもうひとつのウリは、生ガキ。生ガキは殺菌の設備を持っていないと出せないんだ。生きているカキに紫外線を48時間あてて滅菌する。もともと、私が生ガキを東京に出荷していて、設備を持っていたんで、ここでもだそうってね。東京では、銀座や赤坂、六本木など5店舗を展開しているオイスターバーに卸しているんだ。岩手では藤田って、指名してくれている。生産者と店が、お互いの顔を知っている。これは最高の品質保証だよね。」

営業開始が12月1日。オープンして間もないにも関わらず、土日は大賑わい。

「ボランティアの人たちや、新聞記事を見た人たちが来てくれて、本当にありがたいよ。でも、2人だろ。手が足りないんだ。土日、手伝ってくれる人、募集してます。まかないが旨くて豪華です。(笑)」

最後に、これからの夢と、みなさんへのメッセージを伺うと。

「広田湾は、気仙川の賜物。利益の中から気仙川上流への植樹の苗木を寄付したい。津波が来る前は、そんな活動もしていたんだ。それと、陸前高田に観光が戻ってくるまで、頑張って続けて、道の駅などの観光施設にまで展開したいね。震災後、大勢のボランティアの方たちと汗を流しながら、『カキを食べにくるまで、ボランティアは完結しない!』って、話していたんだ。それがこうして、食べに来てもらえる。ここまで来たのは、ボランティアの人たちや、とりわけ開業にあたってお世話になった広田湾漁協の職員さんたちのおかげです。本当に感謝だね。そして、全国のみなさま。広田湾の美味しいカキを食べに来てください。両替漁港を目印に県道38号線を来てください。(笑)」

かき小屋・広田湾
予約専用ダイヤル 090-8784-2114
電話&FAX 0192-56-2114
住所 陸前高田市小友町字両替21
営業時間 11:00~19:00
当面は不定休なので、まず電話でお問合せください。 

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